初心者向けに丁寧解説!クリームチーズの作り方

クリームチーズ

クリームチーズの作り方を検索している方の中には、「市販品は高い」「無添加なものがほしい」「自宅で本格的に作ってみたい」といった思いを抱えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、牛乳だけやヨーグルトを使った簡単な作り方から、本格的な手法までを幅広く紹介します。

クリームチーズは、失敗しやすい印象を持たれがちですが、コツを押さえれば初心者でも美味しく手作りできます。また、手作りはコスパが良く、材料がない時でも工夫次第で代用が可能です。牛乳やモッツァレラチーズを活用したアレンジも取り上げながら、食材や手順を丁寧に解説していきます。

そもそもクリームチーズの正体は何なのか、普通のチーズとの違いはどこにあるのか、そして健康的ですか?といった疑問にも触れながら、読者の不安を解消できる構成になっています。

これから紹介する方法を参考に、自分に合ったクリームチーズの作り方を見つけてみてください。

この記事のポイント
  • 家庭で本格的なクリームチーズを作る方法
  • 牛乳やヨーグルトなど材料別の作り方の違い
  • 失敗しないための注意点と改善策
  • 手作りのコスパや健康面でのメリット

自宅でできるクリームチーズの作り方

本格派も納得の作り方とは

クリームチーズ

市販品と遜色のない本格的なクリームチーズを自宅で作ることは可能です。手間は少しかかりますが、素材の風味をしっかりと活かすことができるため、こだわり派の方にも満足していただける仕上がりになります。

本格的な味わいを出すには、まず「生クリーム」と「プレーンヨーグルト」を使うことが基本です。この2つの乳製品を使うことで、なめらかでコクのあるチーズに仕上がります。加熱処理をせず、冷蔵庫でじっくり時間をかけて水分を抜くことで、風味を損なわずに仕上げられます。

例えば、プレーンヨーグルト400gと生クリーム200mlをガーゼなどで包み、一晩から丸一日ほど冷蔵庫で水切りする方法があります。水分が抜けたあとに塩を少量加えることで、よりチーズらしいコクが生まれます。この製法は「水切りヨーグルト」と呼ばれる方法をベースにしており、市販のクリームチーズに近い食感になります。

ただし、この方法では衛生管理に注意が必要です。特に夏場は室温が高くなるため、常温放置は避け、必ず冷蔵庫内で水切りしてください。また、使用するヨーグルトは無糖・無添加のものを選ぶことで、余計な甘味や酸味が出にくくなります。

本格的なクリームチーズを作る最大の魅力は、自分で素材を選べる点にあります。添加物を避けたい方や、好みの味に調整したい方にとって、自作は非常に有効な選択肢となるでしょう。

牛乳・ヨーグルトなど素材別の簡単レシピ

固めたクリームチーズ

クリームチーズを作る際、使う素材によって手間や風味が大きく変わります。ここでは、家庭で手に入りやすい素材ごとの簡単な作り方を紹介します。どれも初心者向けなので、初めて挑戦する方にもおすすめです。

まず、牛乳を使う場合ですが、レモン汁や酢を加えて凝固させる方法があります。例えば、牛乳500mlを沸騰寸前まで温め、レモン汁大さじ2を加えると、固形分と水分(ホエー)に分離します。これをガーゼなどでこし、水分を抜けばクリームチーズ風のものが完成します。やや酸味が強くなる傾向はありますが、手軽にできる方法です。

次に、ヨーグルトを使った方法です。無糖プレーンヨーグルトをガーゼに包み、冷蔵庫で一晩水切りするだけで、濃厚でクリーミーなクリームチーズに近い食感が得られます。特別な加熱工程も不要なため、手軽さではこの方法がもっとも優れています。さらに、生クリームを加えることで、コクを強化することも可能です。

これらの方法は、それぞれにメリットとデメリットがあります。牛乳で作る方法は安価ですが、風味はやや淡泊です。一方で、ヨーグルトを使うと風味や濃厚さは増しますが、材料の質に左右されやすいという特徴があります。

このように、使う素材によって手作りクリームチーズの風味や仕上がりが異なるため、用途や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。パンに塗るだけでなく、料理やスイーツへのアレンジにも応用できます。

材料がない時や代用品で作る方法

豆乳ヨーグルト

急にクリームチーズを作りたくなった時に限って、必要な材料が手元にないことはよくあります。そんな時は、代用品をうまく使って工夫することで、近い仕上がりにすることが可能です。

まず、プレーンヨーグルトの代用には「豆乳ヨーグルト」や「水切りした絹ごし豆腐」が使えます。水切り豆腐はなめらかで、ヘルシー志向の方にも向いています。豆乳ヨーグルトを使う場合は、無糖で酸味の少ないものを選ぶことで、クリームチーズのような風味に近づきます。

また、生クリームの代わりには、無調整豆乳にレモン汁や酢を加えることで簡易的に固形化させ、滑らかな食感を演出できます。このとき、豆乳は加熱後に酸を加えると分離しやすく、クリームチーズに似た状態になります。

牛乳を切らしている場合でも、スキムミルクを水で溶いて使うという方法もあります。ただし、風味や濃厚さはやや劣るため、あくまで応急的な手段と考えてください。

これらの代用品を使う場合、食感や味わいは本来のクリームチーズとは異なることを理解しておくことが大切です。食感が少しザラつく場合もありますし、酸味のバランスが崩れることもあるため、使用する量や組み合わせを工夫して調整すると良いでしょう。

料理やお菓子に使う際であれば、多少の味の違いはレシピの中でカバーできることが多いため、あまり神経質にならずに試してみることをおすすめします。

よくある失敗と原因・回避のコツ

成功したクリームチーズ

クリームチーズ作りで初心者がつまずきやすいポイントはいくつかあります。失敗の原因を知っておくことで、安定した仕上がりが期待できます。

最も多いのが「うまく固まらない」という失敗です。これは、使用する材料の乳脂肪分が不足していたり、酸(レモン汁や酢)の分量が足りないことが原因です。例えば、低脂肪の牛乳を使用すると固まりにくく、滑らかなクリーム状になりません。使用するのは「成分無調整」の牛乳や、生クリームとの併用が推奨されます。

次に多いのが「分離してしまう」ケースです。これは主に加熱しすぎによってタンパク質が凝固しすぎたことによるものです。火加減が強すぎると分離が起こりやすくなるため、弱火でじっくり加熱するのが基本です。加熱が必要なレシピでは、目を離さず、温度管理を意識するようにしましょう。

また、「酸味が強すぎて食べにくい」と感じるケースもあります。これは、レモン汁や酢を入れすぎた場合に起こりやすいです。目安よりも多く入れないよう注意するほか、酸味を和らげたいときは砂糖やはちみつを少し加えて調整すると良いでしょう。

最後に、「ガーゼやキッチンペーパーの目が粗すぎて水切りがうまくいかない」という問題もあります。水切りが不十分だと、ベチャッとした食感になってしまうため、ガーゼは2〜3重にするか、コーヒーフィルターのような目の細かいものを使うと失敗しにくくなります。

このように、失敗の多くは材料選びと工程中の温度・時間管理に起因しています。レシピ通りに丁寧に作ることで、安定した仕上がりに近づけることができます。

初心者でも安心な基本手順とポイント

初めてクリームチーズを作る方にとって、材料や工程が複雑に感じることがあります。しかし、順序を守って作業すれば、特別な技術がなくても美味しいチーズを作ることができます。

作り方の基本は、「乳製品を凝固させて水分を抜く」ことです。最も手軽な方法としては、プレーンヨーグルトをガーゼに包み、冷蔵庫で一晩ほど水切りするだけで、クリームチーズに近い食感のものが完成します。これは「水切りヨーグルト」と呼ばれ、初心者でも失敗しにくい方法として知られています。

工程を整理すると、次の通りです。まず、ボウルの上にザルを置き、清潔なガーゼまたはキッチンペーパーを敷きます。その上にプレーンヨーグルト(無糖)を流し入れ、ラップをかけて冷蔵庫に入れます。8〜12時間ほど経つと、下に水分(ホエー)が溜まり、上には濃厚なクリーム状のかたまりが残ります。これが自家製クリームチーズのベースになります。

このときのポイントは2つあります。1つ目は、水切り時間を調整することです。短すぎると水っぽく、長すぎると硬くなるため、用途に合わせて調整するのがよいでしょう。2つ目は、使用するヨーグルトの種類です。無糖・無添加タイプを使うことで、自然な味わいになりますし、仕上がりのクセも抑えられます。

また、好みに応じて塩を少量加えたり、生クリームを混ぜることで、さらにクリーミーな仕上がりになります。作る量も調整しやすいため、少量から試してみるのが安心です。

こうして丁寧に作ることで、初心者でも安心してクリームチーズ作りに取り組むことができるでしょう。

初心者でも安心なクリームチーズの作り方

普通のチーズとの違いと正体

普通のチーズとクリームチーズ

クリームチーズは、他の一般的なチーズとどのように違うのでしょうか。ここでは、成分や製法の観点から、その違いと正体について解説します。

まず、クリームチーズの大きな特徴は「熟成を行わないフレッシュチーズ」である点です。カマンベールやチェダーなどの一般的なチーズは、乳を凝固させた後に長期間熟成させて風味を深めます。しかし、クリームチーズは作ってすぐに食べられることが特徴で、保存期間も比較的短めです。

もうひとつの違いは「原材料の脂肪分」です。クリームチーズは通常、牛乳だけでなく、生クリームも加えて作られます。このため、他のチーズに比べて脂肪分が高く、なめらかでリッチな食感になります。反対に、モッツァレラやプロセスチーズなどは、比較的脂肪が控えめなものも多く、加熱向きだったり、保存性が高かったりします。

例えば、プロセスチーズは複数のチーズを加熱・乳化して作る加工食品ですが、クリームチーズは加熱せずに乳を酸で固め、水分を抜くだけで完成します。このため、乳酸菌の風味がそのまま活かされ、やや酸味のある味わいになります。

また、クリームチーズの「正体」とは、分類上は「非熟成型のフレッシュチーズ」であり、ヨーグルトの延長線上にあるような食品です。乳製品を発酵・凝固させた後、水分を除いてなめらかに仕上げたものがその本体です。

このように考えると、クリームチーズは「チーズの中でも手軽に作れる部類」でありながら、「リッチでコクのある」独特のポジションにあることがわかります。市販品では味の調整がされていることが多いですが、自作ならシンプルで素材本来の味を楽しめます。

モッツァレラチーズを活用したアレンジ例

パンに塗ったクリームチーズ

モッツァレラチーズはそのまま食べても美味しいチーズですが、少し工夫することでクリームチーズのような使い方も可能です。特に、すでにモッツァレラを持っていて別の形で使いたいと考える方にとっては、アレンジの幅を広げる手段になります。

モッツァレラチーズは水分を多く含んでおり、弾力があるのが特徴です。そのため、そのままではクリームチーズのような滑らかさはありません。しかし、細かくちぎったり、電子レンジで軽く温めて柔らかくしたあと、ミキサーやハンドブレンダーで生クリームと一緒に撹拌すると、ペースト状になり、スプレッドとして使えるようになります。

例えば、100gのモッツァレラチーズに生クリーム大さじ2を加えて混ぜるだけで、ディップやパン用のスプレッドとして使えるやわらかいチーズができます。さらに、ハーブやガーリックパウダーを加えると、風味のあるクリーム風チーズになります。こうしたアレンジは、料理やおつまみとしてだけでなく、SNS映えするメニューにも応用できます。

ただし、モッツァレラの風味はクリームチーズとは異なり、ややあっさりしています。そのため、コクを出すためにオリーブオイルを少量加えるなどの調整が必要になる場合もあります。また、保存は短期間を前提とし、使う分だけ作ることが衛生的にもおすすめです。

モッツァレラチーズが余ってしまったとき、捨てずにアレンジする方法として、こうした活用法は非常に有効です。

手作りコスパの魅力と市販品との比較

手作りのクリームチーズ

クリームチーズを手作りすることで、コスト面でのメリットを感じる方は多くいます。特に、頻繁に使用する家庭や、オーガニック志向の方にとっては、自作のほうが経済的かつ安心できる選択となることがあります。

市販のクリームチーズは、種類にもよりますが100gあたり200〜350円程度が一般的です。一方で、手作りの場合は、ヨーグルトや牛乳、生クリームなどを使うため、原材料費としては100gあたり100円前後に抑えることも可能です。特売品や大容量商品を活用すれば、さらにコスパは高まります。

例えば、プレーンヨーグルト400gを200円で購入し、水切りして150gほどのクリームチーズを得た場合、1gあたりのコストは約1.3円程度になります。この計算でいくと、市販品よりも明らかに安価であることがわかります。

さらに、手作りであれば無添加の仕上がりになるため、保存料や香料を避けたい人にも適しています。ただし、保存期間は市販品より短いため、冷蔵庫で3日以内を目安に使い切るようにしましょう。

一方で、手間や時間がかかる点はデメリットといえます。特に水切りの時間や、材料の準備を考えると、市販品の手軽さには及びません。また、初めて作る方は味や食感の安定にやや苦労する場合もあります。

このように、自作はコスト面と素材への安心感において優れていますが、手間や保存性とのバランスをどう取るかが選択のポイントになります。用途やライフスタイルに応じて、使い分けていくのが理想的でしょう。

健康面の評価と栄養素の特徴

クリームチーズは濃厚でクリーミーな味わいが魅力ですが、健康を意識している方にとっては「体に良いのかどうか」が気になるポイントかもしれません。ここでは、栄養面から見たクリームチーズの特徴と、健康に与える影響について解説します。

まず、栄養素の面から見ると、クリームチーズにはたんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンAなどが含まれています。特に脂質の割合が高く、100gあたりのカロリーはおよそ340kcal前後と、他のチーズと比較しても高めです。そのため、エネルギー補給には適していますが、摂取量には注意が必要です。

たんぱく質は筋肉の維持に役立ち、カルシウムは骨の健康を保つために重要です。ビタミンAも含まれており、目や皮膚の健康、免疫機能の維持に関与しています。これらの栄養素は、食生活の中で不足しがちなこともあり、適量であれば健康的な食品といえます。

一方で、クリームチーズは動物性脂肪が多く含まれており、飽和脂肪酸の摂取量が増える可能性があります。飽和脂肪酸を過剰に摂ると、血中のLDLコレステロールが上昇し、生活習慣病のリスクが高まると指摘されています。したがって、毎日大量に食べるのではなく、1日10〜20g程度を目安に、他の食品とバランスを取りながら摂ることが勧められます。

また、市販のクリームチーズには塩分や添加物が含まれている場合があります。特に塩分が気になる方は、無塩タイプや手作りのものを選ぶと安心です。手作りであれば、塩の量も自分で調整できるため、健康志向の方にとってはメリットが大きいと言えるでしょう。

このように考えると、クリームチーズは決して不健康な食品ではありません。摂り方や量に注意すれば、日々の食生活にうまく取り入れることができます。スイーツやパンに使うだけでなく、野菜と合わせたディップなどにすることで、栄養バランスの取れた食事にもつなげられます。

初心者にも分かるクリームチーズの作り方まとめ

ここまでの内容をまとめると以下となります。

  • 本格的な味を出すには生クリームとヨーグルトの使用が効果的
  • 牛乳やヨーグルトなど手に入りやすい素材でも作れる
  • 材料が不足している場合は豆腐や豆乳で代用可能
  • 固まらない原因は乳脂肪分の不足や酸の量の誤り
  • 火加減が強すぎると分離しやすくなるため注意が必要
  • 酸味の調整にはレモン汁や酢の分量が重要
  • 初心者は水切りヨーグルトから始めるのが安心
  • 無添加・無糖のヨーグルトを選ぶと仕上がりが良い
  • モッツァレラチーズを使えばスプレッド風にアレンジ可能
  • 市販品よりコストを抑えられ経済的である
  • 自作は塩分や添加物を調整でき健康志向に適している
  • 保存期間は短く、3日以内に食べ切るのが望ましい
  • 普通のチーズと異なり熟成せずすぐに食べられる
  • 脂肪分が高く摂取量には注意が必要
  • 料理やスイーツへの応用がしやすく使い勝手が良い

参考資料:雪印メグミルク株式会社

この記事を書いた人

フードライター兼おつまみ研究家

チーズ、ナッツ、オリーブ、生ハム、クラッカーなど、おうち飲みをちょっと特別にする【オツマミ】の魅力を、丁寧にわかりやすくご紹介しています。

食文化を学び、現在は在宅ワークの傍ら、家で楽しむ本格おつまみライフを日々探求中。

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